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酒道具・美酒佳肴・展観。佳き縁(えにし)を繋ぐ、その徒然。また酒席十二相。その芯は遊び(あすび)の心意気。


by drink-style
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『手数(てかず)をかける』

器の世話をする。手数をかける。
酒膳の設えをするところから今宵の悦楽は始まります。
旨し酒、佳き肴、粋な器の三位一体。
と、一献の前に手数をかける愉しみを得ること、その妙諦を少々。

酒の器、酒道具とでも称しましょう。
その魅力と楽しみは使うことでさらに深まり、
きちんと手入れをすることで器は育ってくれます。
その一歩。まず器は使う前に水で湿らせることを習慣にするのがよいでしょう。
乾燥している器にすぐさまお酒を注ぐと器肌に染み込みすぎてしまいます。
もちろんその染み込みが後々の景色を作り上げてくれるのですが、
手入れがよろしくないと匂いやかびのもとになってしまいます。
時間があればボウルなどに水を張ってしばし浸けておきます。
すぐに使いたいときは流水で濡らすだけでも構いません。
湿らすことで器の肌はしっとりとして、よい艶も感じられるようになります。

存分に日本酒を楽しんだあと、器を使ったあとも少し気を配るとしましょう。
食事の油が付いた皿などと一緒にしないよう、
まず酒器を先に洗うといった心掛けが肝要。
すすいだ後には湯をかけておくのも一つの工夫。
洗ったあとはよく乾燥させることが大事なので、
湯をかけることで乾燥が早まります。
すぐに戸棚に仕舞わない。ふせて置かない。
このこともまた気配り。
余計な匂いがこもったり、かびたりすることを防ぎます。
湿らす、使う、洗う、乾かす。
この繰り返しでこそ器は育っていくのです。
旨し酒を堪能しつつ、ご愛用の酒道具が育つのを楽しむといたしましょう。

使う前、使ったあとの手数を惜しまないことで、器の表情はかわってきます。
面倒を見ることを遊びましょう。
愛用し続けることで、きっと器は応えてくれるものなのです。
手数(てかず)をかける悦楽。_c0221262_21123114.jpg

# by drink-style | 2015-07-14 21:13 | 酒道具
『ぐい呑みの三調子』

ぐい呑みの三調子とは、その魅力を味わう居姿、色調、肌触の三つの視点です。

一つめの居姿とは、ぐい呑みの形のこと。
造作や作行きなどとも言われ、器の風情を一番よく表しています。
ぐい呑みの居姿は筒形(つつなり)、丸形(まるなり)、碗形(わんなり)、
平形(ひらなり)、乙形(おつなり)と大きく分けることができます。
居姿は見た目の魅力だけではなく、日本酒の味わいにも関わってきます。
その形(なり)は口造り(呑み口の部分)の厚みと相まって、
同じ日本酒でも味わいのちがいを感じさせてくれます。
お気に入りのぐい呑みを見つける上では、ひとつ大きな要素となりましょう。

二つめの色調は色合い、色艶のこと。器を見ればすぐにわかる特徴です。
土の風味そのものから釉薬(ゆうやく・うわぐすり)の種類、
器を焼き上げるときの調整によってさまざまな色調が生まれるわけです。
楽の黒や赤、織部の緑や志野の紅、粉引の白、備前の緋襷、信楽の土色やビードロ、
伊万里焼や清水焼、九谷焼のような色絵付などがありますが、
作り手がおのおの工夫を凝らした独自の釉薬もあります。
その表情は鮮烈であり、嫋やかであり、落ち着きであり、華やかであり。
居姿と並び作り手の個性がよくわかる部分でありましょう。

三つめは肌触。手触り、掌への収まり具合。
好みのぐい呑みと出会うための、もっとも大事な視点とも言えるのが肌触、
器の手触りです。
器の良さを存分に味わうための真髄と言ってもあながち的外れではないでしょう。
磁器のようになめらかでつるりとしたもの、
備前や信楽のようにざっくりとした土の味わいがよく出ているものは
特にわかりやすいもの。
きりりとした凛々しさを感じたり、優しい暖かさが伝わったりしますが、
触れた瞬間にすいっと手に収まる塩梅を感じとれるものこそ、
相性のよき器と云えましょう。
器の魅力は手に取ってこそ感じるもの、わかるものです。
ご自身の手に収めてみて、ぐい呑みの魅力を存分に確かめてくだされば幸いです。
 
ぐい呑みの三調子を味わう。_c0221262_1845011.jpg

# by drink-style | 2015-07-01 18:45 | 酒道具
器の形とはかくも様々でありますが、
掌に納まるその按配こそが精髄であると言っても過言ではありますまい。

抹茶茶碗であれば、作行きに心魅かれるのは碗に触れ茶を嗜むその時でありましょう。
それがぐい呑みであれば、一献毎に感じる愛おしさでありましょう。
ぐい呑みが「掌中に納まる抹茶茶碗」と云われる所以は、
そんなところにあるのではないでしょうか。

器にしても料理にしても、手を通して良さや味わいが伝わり、感じ、
魅力に触れることとなります。
それは手を通さねば本当の深みを知ることが出来ないということでもあります。

殊更に云うまでもなく、焼き物とは土と炎の鬩ぎあいが造り上げるもの。
そして、そこに在るべくして欠かせない存在が陶人(すえひと)なのです。
その意が注がれた土は窯の中で炎群に包まれ、生まれ変わるのです。

当然至極のことですが、それが名陶茶陶であろうと日々の器であろうと、
その"手"を経なければ何も生まれはしないのです。

陶人が紡ぎだす器は"手"で作られ、
それぞれに込められた心意気は三調子の均整を生み出し眼前に現れます。
私たちはそれを"手"に取り味わうわけですから、
器の魅力が琴線を震わすことは想像に難くありません。

※三調子:居姿・色調・肌触。

\"手\"から\"手\"へ。伝わる魅力。_c0221262_1752838.jpg

# by drink-style | 2015-06-12 17:05 | 酒道具
先般の天祭一〇八ではお世話になりました。
ご来場のみなさま、関係者のみなさま、
ありがとうございました!

さて、週明け月曜日のいま粋バーから連休にかけて、
あちこちに出没させていただきます。
またお会い出来ることを楽しみにしています!

◎4月27日(月)18時半〜:いま粋バー
 いつものいま粋バー、またまた旨し酒でお待ちしています。
 https://twitter.com/imaiki_bar

◎4月29日(水・祝)30日(木)11時半〜17時:笠間・陶炎祭
 陶炎祭は今井梨絵さんと菅原佳苗さんのブースにて、
 旨し日本酒を味わっていただきます。
 https://www.facebook.com/events/758839927564179/

◎5月1日(金)19時〜:いま粋モーション
 毎月第一金曜日の熱い夜。
 今回のゲストはセ三味ストリート!
 もちろん美酒揃いにて。
 https://www.facebook.com/events/1076661852350898/

◎5月4日(月・祝)15時〜/18時〜:変拍子酒会
 南青山のギャラリー白白庵でのワークショップ。
 今回の展示「変調ポリリズム」に合わせての開催です。
 http://www.pakupakuan.jp/event/modulatedpolyrhythm.html

どうぞよろしくお願いいたします。
# by drink-style | 2015-04-22 10:53 | 催事企画

櫻の時季に向かって。

艶やかな櫻を愛でるまであと少し。
この時季ならではの、春の宴をご案内させていただきます。

◎04月03日:「いま粋モーション」
 毎月の通り、旨し酒と濃く熱い夜をお楽しみください。
 今回のゲストは、メロディを奏でる近未来型和太鼓奏者の大多和正樹さんです。
 ◇詳しくはこちらからどうぞ!
 https://www.facebook.com/events/1623516337869994/
 ◇いま粋のご案内はこちらから!
 https://www.facebook.com/imaiki2013

◎04月04日・05日:「櫻の宴〜香宵(こうよい)〜」
  16回目となるギャラリー園と酒器道楽のコラボです。
 ◇第一夜のご案内はこちら。
 https://www.facebook.com/events/640570439380580
 ◇第二夜のご案内はこちら。
 https://www.facebook.com/events/1619615571607788

◎04月17日〜19日:「第四回・天祭一〇八」
 芝・増上寺で開催される現代日本ものづくり縁起・
 この天祭一〇八の中で日本酒設えをさせていただきます。
 最新情報はこちらから!
 https://www.facebook.com/tensai108

また4月29日30日と笠間の陶炎祭でコラボ出展いたします。
詳細はしばしお待ちくださいませ。

櫻の時季に向かって。_c0221262_18335218.jpg

# by drink-style | 2015-03-20 18:34 | 催事企画